地域がん診療連携拠点病院
- 地域がん診療連携拠点病院とは、厚生労働省が「第3次対がん10ヶ年総合戦略」において、全国どこでも質の高い医療を受けることができるよう、がん医療の均てん化(全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるよう、医療技術などの落差是正を図ること)を戦略目標に掲げています。
- また、地域がん診療連携拠点病院は、この目標の実現に向けて、都道府県による推薦をもとに、厚生労働大臣が指定した病院で、がんに関する医療や設備、情報提供、他の医療機関との連携などについて、国の定める基準を満たしていなければなりません。
- 当院は、2005年1月17日付で、「地域がん診療連携拠点病院」に指定されております。(釧根地域2次医療圏)
地域がん診療連携拠点病院の役割
診療体制
- 集学的治療の提供体制及び標準的治療等の提供
日本に多いがん(肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がん)について、集学的治療(手術、化学療法、放射線治療などの組み合わせ)及び各学会のガイドラインに準ずる標準的治療など、がん患者の状態に応じた適切な治療を提供します。 - 化学療法の提供体制
- 緩和ケアの提供体制
- 地域の医療機関との連携協力体制(病病連携、病診連携)
- セカンドオピニオンの提示体制
研修実施体制
がん診療の連携協力体制として、地域医療圏において院内、院外を問わず、がん医療に携わる医師、看護師、その他多くの医療従事者を対象に研修(がん関連研修、緩和ケア研修など)を実施しています。相談支援体制
医療連携相談室において、患者さんやそのご家族、並びに地域住民、地域の医療機関などに対し、様々ながんに関する相談対応や情報収集を行っています。情報の収集・提供体制
- 院内がん登録の実施
- がんに関する資料、冊子の配布や情報端末によるがん情報の提供
- 市民公開講座の開催
がんの治療内容
先端技術を用いた手術
最新の機器を用いています。また、体への負担がより少ないと考えられている、腹腔鏡、胸腔鏡を用いた手術を取り入れています。専門医による適切な放射線治療の実施
当院には、日本医学放射線学会放射線治療専門医、放射線腫瘍学認定医の資格を持った放射線治療医がおり、各種腫瘍の状態に応じた適切な治療を行っています。安心で安全に体制整備された環境で実施する化学療法
化学療法委員会にて医師、看護師、薬剤師等が治療内容を審議した、レジメン(治療内容)を用いて治療を行います。近年の化学療法は、新規抗がん剤の開発や支持療法の発達により、入院治療から外来治療へ移行しつつあり、患者さんの生活に与える影響を減らすよう、工夫しています。緩和ケア
- 緩和ケアは、がんそのものや治療によって生じる体の病状や気持ちのつらさを和らげ、その人らしく生きることを支援する医療です。
- 当院では、緩和ケアチームという多職種チーム(医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、管理栄養士など)が主治医や医療スタッフと協働し、がんの早期から治療と並行した緩和ケアの提供を行っています。
緩和ケアに関する詳細については、こちらよりご確認できます。 - 緩和ケアに関するご相談は、主治医や看護師又は医療連携相談室までお申し出ください。
医療連携相談室「がん相談について」のページがあります。内容については、こちらよりご確認できます。
地域医療連携(病病連携、病診連携)
- 地域の医療機関(病院、診療所)が患者さんの病態に合った治療を効率的に提供できる連携体制のことです。一般的に病病連携と病診連携があります。
- 地域の医療機関から紹介されたがん患者を受け入れたり、またがん患者の状態に応じ、地域の医療機関へがん患者の紹介を行っています。
病病連携とは
病院が相互に連携協力することにより、患者さんの病態にあった入院治療機能を効率的に提供できる体制のことです。病診連携とは
かかりつけ医(診療所など)が専門的な検査や治療が必要と判断した場合、かかりつけ医の「紹介状」を通して、当院の高度な医療を提供する体制のことです。がん地域連携クリニカルパス
- がん地域連携クリニカルパスとは、がん診療連携拠点病院と地域の医療機関などが作成する役割分担表、地域連携診療計画表及び患者さん用診療計画表から構成される、がん患者に対する診療を体系化したものを言います。
- 具体的には、当院で治療された患者さんの術後経過観察及びかかりつけの医療機関とで役割を分担して行うことです。
- 実際には、患者さんにカルテの機能を含む「私のカルテ」という冊子をお持ちいただき、さらに患者さん自身に病状の認識をしていただくことで、がん再発の早期発見に努めるものです。
- 当院の地域連携パスは、5大がん(肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がん)の運用を進めています。
セカンドオピニオンの対応
- セカンドオピニオンとは、現在のご自身の病状や治療方針について、他の医師の意見を求めることを言います。これにより、患者さんがより適した治療法をご自身で選択できるようになります。
- 例えば、他の病院である疾患のため手術を薦められたが、どうも納得がいかない、あるいは理解ができないといった時に、当院にご来院いただき、その診断と薦められた治療法に妥当性があるかどうかについて、当院医師の意見を聞いていただく仕組みです。
- セカンドオピニオンの受付については、医療連携相談室にて随時行っております。
医療連携相談室「セカンドオピニオン外来のご案内」のページがあります。内容については、こちらよりご確認できます。
キャンサーボードの実施
- キャンサーボードとは、手術、放射線療法及び化学療法に携わる専門的な知識及び技能を有する医師、その他の専門を異にする医師等(外科、内科、放射線化、薬剤師、看護師等)が集まり、症例について治療法を包括的に議論する場のことです。
- そこでは、疾患の種類や症状、状態、合併症を考慮した上で、患者さんの意思を尊重した最適な治療法について、意見交換、検討、確認等を行い、実際の治療に結びつけています。
がんに関する相談
- 医療連携相談室では、患者さんやご家族が、がん医療に関する治療、検査、費用、療養上等、様々な問題、疑問、心配事に対する相談を、ソーシャルワーカーが随時受け付けております。
医療連携相談室「がん相談について」のページがあります。内容については、こちらよりご確認できます。
医療に関する相談
- 医療連携相談室では、病気によって生じる様々な経済的、社会的、心理的問題を、患者さんやご家族のみなさんと一緒に軽減、解消し、患者さんやご家族が安心して療養生活や退院生活を送ることができるように、これらの医療に関する相談を、ソーシャルワーカーが随時受け付けております。
医療連携相談室「医療相談について」のページがあります。内容については、こちらよりご確認できます。
がん登録事業
当院では、がん医療に関する情報のデータベース化に協力しています。データベースには、全国のがん診療連携拠点病院の情報が集められ、今後のがん医療の基礎資料となります。当院のがん登録件数の推移(76.81 KB)
2022年診断症例 がん登録件数(291.00 KB)
2022年診断症例 部位(中分類)別・治療項目別・腫瘍数(87.54 KB)
院内がん登録二次利用についてのオプトアウトについて
院内がん登録は、がん登録等の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十一号)により、院内がん登録の実施に係る指針(厚生労働省告示第四百七十号)に即して行うこととされています。これらのデータは現在毎年、全国の施設におけるがん医療の実態把握のために、提出元が保持する対応表が無い限り個人が識別できない状態のデータとして国立がん研究センターに提出されていますが、二次的な利用については拒否(オプトアウト)の機会が提供されていますので、二次利用に使われたくない場合は、当院の窓口へお申し出下さい。(担当窓口 医事課診療情報管理担当)
※詳細については下記ファイルをご参照下さい。
院内がん登録二次利用についてオプトアウト説明書(143.18 KB)
院内がん登録二次利用についてのオプトアウトのための説明ポスター(193.01 KB)