第二放射線 (放射線治療、核医学検査)
放射線治療
放射線治療とは、様々な種類の放射線を体に照射することで病気を治療する方法で、手術療法や抗がん剤などの薬物療法と共に、がん治療の三本柱の一つを担っています。基本的に放射線治療は局所的な治療法で、他の治療法と比べて体への負担が小さいといった特徴があり、早期がんに対する治癒を目指す根治的な治療から、がんによる痛みなどの症状を和らげるといった緩和的な治療まで幅広く用いられます。
当科の放射線治療部門では、リニアックという装置で体の外から放射線を照射する外部照射と、ラルスという装置で放射線源(コバルト60)を体の内部に挿入して体の中から放射線を照射する腔内照射(密封小線源治療)を行っています。
特に外部照射では、照射直前に撮影されたX線写真やコーンビームCTなどの画像を利用して照射位置を照合・補正する画像誘導放射線治療 (IGRT)や、呼吸のタイミングに合わせて決まった位置で照射を行う呼吸同期放射線治療、ピンポイント照射と呼ばれている定位放射線治療など高精度な放射線治療も提供しています。
また、上記の高精度な放射線治療が安全にかつ正確に行われるよう、当部門には専門の診療放射線技師や認定を受けた医学物理士が配属されています。
核医学検査
当院では、転移性骨腫瘍の検出を主な目的とした骨シンチグラフィをはじめとして、冠動脈疾患の重症度評価や心筋生存能の判定、血行再建の適用決定・治療効果判定、心不全の重症度評価等の判定に不可欠な負荷心筋血流グラフィ、虚血性脳血管障害や認知症・精神神経疾患などの診断や治療効果判定に用いられる脳血流シンチグラフィ、ドパミントランスポータシンチグラフィ、さらに甲状腺や副腎、唾液腺など内外分泌系や肺、肝臓、腎臓を目的としたシンチグラフィなど多くの部位の検査・件数を行っています。
また、RI(Radio Isotope:放射性同位元素)内用療法としては甲状腺機能亢進症の治療や甲状腺全摘術後の残存甲状腺破壊(アブレーション)も実施しています。