ご紹介
患者さんやご家族が安心して治療が受けられるよう安全・確実に抗がん剤の投与を行います。また副作用に対して、患者さんがご自身でできるケア方法を一緒に考えたり、治療中の不安や悩みなどのご相談に応じています。
日々の生活に大半を病気のために費やされてしまうのではなく、治療を受けながらも、大切な人と過ごす穏やかな時間、仕事や家事、趣味などに没頭する時間を持ててこそ、がん治療を受ける本来の意味があると考えています。
治療を継続しながらも、患者さんの価値観を損なうことのないようサポートさせていただきたいと思っています。
がん化学療法看護認定看護師 佐藤留美、田中秀子
活動報告
「抗がん剤の投与経路別管理方法と注意点」について講義をさせていただきました。
2023年10月15日に開催された「専門・認定看護師と学ぼう2023」で「抗がん剤の投与経路別管理方法と注意点」というテーマで学習会を開催しました。主に、末梢静脈血管確保時の注意点(適切な血管選択、血管外漏出、器材の選択)、CVポートの管理方法(当院で使用されているCVポートの特徴、フラッシュ方法、トラブルシューティング)についてお話しさせていただきました。今後も、看護師が化学療法の正しい知識を持ち、安全・確実な投与管理ができることや、根拠に基づいたスタッフ教育が実践できるようサポートしていきたいと思いまず。「免疫チェックポイント阻害薬」の学習会を開催しました
2020年11月12日に、外来看護師を対象に、「免疫チェックポイント阻害薬について学ぼう」というテーマで学習会を開催しました。学習会では、免疫チェックポイント阻害薬の適応疾患、治療スケジュール、副作用、医療費についてお話させていただきました。今後も、免疫チェックポイント阻害薬の適応が拡大していくことが予測されるため、看護師の知識を深められるようサポートしていきたいと思います。
Ⅳナース研修修了式終了
Ⅳナース制度を開始し、今年度で10年目になりました。今年度も例年通り、6月から5回の研修を実施し、14名が新たに認定されました。今後も、がん化学療法に関わる看護師が、基本的かつ専門的な知識を習得し、安全・確実に抗がん薬の投与管理ができるようⅣナース研修を継続していきたいと思います。Ⅳナースフォローアップ制度の見直しと新たな取り組み
2009年度より、院内認定制度としてIVナース研修を開催し、現在103名のIVナースが各部署で活躍しています。従来のフォローアップ体制として、前年度のIVナース取得者を対象に、年1回の講義を行ってきましたが、今年度からは、実際に化学療法室で投与管理を行い、認定看護師とともに振り返りと評価をしています。今後も、IVナースが研修で学んだ知識を持ち続け、抗がん薬の投与管理を安全、確実に行うことができ、部署の中心となってスタッフ教育ができるよう継続してサポートしていきたいと思います。
外来でのセルフケア面談を始めました
肺がん治療で使用される内服抗がん薬(EGFR-TKI阻害剤)は、副作用として高頻度に皮膚障害を発症しますが、容姿にかかわる副作用のため、患者さまの生活の質(QOL)に強く影響を及ぼします。そこで、経口抗がん薬を内服する患者さんがスキンケア方法を習得し、副作用予防と治療継続をサポートする目的で、認定看護師による外来での面談を行っています。看護師だけではなく、医師・薬剤師など多職種と協力し、患者さんが治療を継続しながらも、自分らしい生活を継続できるようサポートできたらと考えています。
1.面談の様子 | 2.面談時に実際に薬剤を使用し、軟膏の塗り方やテーピング方法について患者さんに経験していただいています。 |
DRIP EYEの取り扱いについて学習会を開催しました
当院では従来、抗がん剤の投与管理は、血管外漏出予防のため自然滴下で行っております。しかし、近年、分子標的薬や免疫療法薬が増加しており、誤って急速に投与することでインフュージョンリアクション(急性輸注症候群)が発生する危険性が考えられました。そこで、院内IVナース取得者を対象に、DRIP EYEの取り扱いについて、学習会を開催しました。DIRP EYEは自然落下方式注入コントローラーで、薬剤の急速投与、血管外漏出のリスクを避け、安全に輸液管理ができる自動点滴装置です。臨床工学技士さんと協働し、DRIP EYEの使用方法、注意点、分子標的治療薬のインフュージョンリアクションについての講義を行いました。
今後も、IVナースが各部署の中心となり、安全、確実に抗がん剤の投与管理ができるようサポートしていきたいと思います。